現在コロナウイルスの蔓延により,屋内での人の密集度に関するトラッキングが重要になっています.BLEビーコンを用いたセンシングは,東京大学MOCHAアプリなどで開始されるなど,有力な方法の一つとして使用されています.一方,これらのBLEビーコンを用いたアプリにおいて,環境へのビーコンの配置位置・個数はシステムの精度とコストを左右する重要な要因であります.今まで,電波伝搬のシミュレーションに基づいたビーコン配置が提案されてきましたが,これらの手法は,家具や壁等で大きく変化する電波をすべて考慮することは難しく,対象環境の特性を反映することは困難でした.一方,(我々に限らず多くの研究で)環境中のデータを用いて実環境も考慮する手法として,予め大量のセンサをばら撒き,その中から有用なセンサのみを残すといった手法も提案されてきました.
本研究では,実環境を考慮しながら,ビーコン配置コストとデータ収集コストを抑えることが可能な逐次BLEビーコン位置最適化を情報処理学会UBI研究回で提案しております.大学の施設内にてビーコンを配置し収集したデータセットを用いて,本提案手法の有用性を検証しました.
—– 発表論文 —–
Yang Zhen, Masato Sugasaki, Yoshihiro Kawahara, Kota Tsubouchi, Masamichi Shimosaka.
Incremental BLE beacon placement optimization for crowd density monitoring applications
情報処理学会研究報告 第70回UBI合同研究発表会, Virtual, 6 2021.