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プロジェクト 地域の幾何的的関係を考慮した高性能な都市動態予報

地域の幾何的的関係を考慮した高性能な都市動態予報

2021/02/26 | プロジェクト | 1627 views |

都市における活動人口動態,すなわち都市動態の予報は,出店計画や混雑予報,雑踏警備等を行う上で大変重要な話題です.
都市動態の予報はこれまで様々な研究者が取り組んできましたが,既存の予報手法ではエリア全域における早期(e.g., 1週間前から)の予報を行うことが困難でした [Fanら@UbiComp’15; Jiangら@AAAI’18; Jiangら@KDD’19].
本プロジェクトでは,この全域における早期予報を「高性能な都市動態予報」として,この実現を目指します.

都市動態の早期の予報を行うために,我々は以前から乗り換え検索アプリの検索履歴等の,大規模ユーザのスケジュール情報に注目していました[Konishiら@UbiComp’16, Annoら@SIGSPATIAL’20].
しかし,高性能な予報を実現するためには,以下の2つの困難を解消する必要がありました.

1) ユーザが駅を出た後どこに向かうかわからないこと.
2) 混雑などの異常が起こりやすいイベント会場を取り巻く環境が複雑であること.

困難1は,乗り換え検索履歴の反映するスケジュール情報により,人々がどの駅に集まるかは容易にわかるものの,駅を出た後どのイベント会場に向かうのかまでは把握しきれないということを意味しています.
また,都市部ではそのようなイベント会場が複数駅に複数個隣接しているなどするため,どの駅からどれくらいの人々が会場に流入するのかのモデルが難しく,困難2を引き起こします.

そこで我々は,動態の補完と地域の幾何的関係をモデル化に組み込むことを考え,Geometrically Complemented multi-task Poisson Regression (GCPR)を提案しました[安納ら@SigUbi68].
提案手法では,対象地域における活動人口予報モデルの一部を,周辺複数駅の利用者動態予報モデルと共有します (困難1の解消).
また,対象地域と周辺駅との幾何的関係,および対象地域間の違いを考慮するために,その共有の度合いを地域と駅の距離や動態の相関に基づいて決定します (困難2の解消).

2019〜2020年に日本各地で開催された12の大規模イベントを対象に,携帯端末位置履歴および乗換検索履歴を用いて評価した結果,
提案手法は駅周辺のみならず駅から離れた混雑会場に対しても,1週間前から高精度な予報を実現し,既存手法と比較して最大42%の誤差削減を達成しました[Anno et al. @J.Big Data 2025].

実際の携帯端末位置履歴と乗換検索履歴を用いて性能評価実験を行い,既存の手法と比較して都市動態を1週間前からエリア全域にわたってより高精度に予報可能であることを示しました.

Publications

安納 爽響,坪内 孝太,下坂 正倫.
地域の幾何的関係を考慮したマルチタスク回帰に基づく高性能な都市動態予報
情報処理学会研究報告 第68回UBI合同研究発表会, オンライン開催, 12 2020.

Soto Anno, Kota Tsubouchi, Masamichi Shimosaka
Early crowd forecasting away from stations by geographically complemented regression using transit search and mobility logs
Journal of Big Data, 7 2025.

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