近年,日常におけるライフログの獲得は,高齢者の体調評価や行動最適化への応用の観点で重要視されています.中でも手による物体操作の認識は,手が生活の中で多くの物体との相互作用を行うことから,詳細なライフログをもたらすため,注目されています.
しかし,従来の物体操作認識の研究は,単一種類のセンサを用いる手法[1]が一般的であり,各センサごとに存在する獲得可能な情報の限界により,認識が困難な動作が存在することや,その認識性能に課題となっています.
本プロジェクトでは,操作対象を認識するRGBセンサ,手指の形状と動きを認識する超音波センサ,腕の軌道と手の動きを認識するIMUセンサの3種類を統合した,物体操作に関する主要な情報を網羅する認識システムを提案しました.また,本システムにおけるセンサ配置の認識性能への影響調査を行いました.
本研究では,提案システムに用いるセンサの組み合わせごとの認識精度を比較し、センサ構成が与える影響と本システムの優位性の示しました.加えて,提案システムにおいて,設置箇所の依存度が特に大きいと考えられるRGBセンサの配置に着目し,複数の配置での提案システムの認識精度を比較することで,提案システムにおけるイメージセンサ配置と認識性能の関係性を示しました.
— 関連研究 —
[1] C.Lee+, EchoWrist: Continuous Hand Pose Tracking and Hand-Object Interaction Recognition Using Low-Power Active Acoustic Sensing On a Wristband, CHI’24
Publications
藤重 凱人, 北森 迪耶, 林 瀚, 下坂 正倫.
複合ウェアラブルセンサによる物体操作認識の検討
情報処理学会研究報告 第85回UBI研究発表会, 大阪府大阪市, 02 2025.
